「最近、家を建てるのにすごくお金がかかるようになった」
「昔に比べて、家の解体費も高くなった」
このように感じている方も多いのではないでしょうか。
実際、近年は建築資材や人件費などの上昇により、建築費が大きく上昇しています。
そして、その影響は新築住宅だけではありません。
土地や古家付き住宅を売却するときの価格にも、建築費や解体費の上昇が関係してきます。
今回は、建築費・解体費が実際にどのくらい変化しているのか、
そして不動産の売却価格や査定にどのような影響を与えるのかを分かりやすく解説します。
まず、建築費がどのくらい上がっているのかを見てみましょう。
建設物価調査会では、建物の工事価格の動きを「建築費指数」として公表しています。
これは、2015年の平均を100として、その後の建築費がどのように変化したのかを見ることができる指数です。
大阪の木造住宅の建築費指数(純工事費)は、2015年平均を100とすると、2026年5月には152.1まで上昇しています。
(出典:一般財団法人 建設物価調査会)
つまり、建築費は2015年と比べて約1.5倍の水準です。
もちろん、これは「実際の住宅価格がすべて1.5倍になった」という意味ではありません。
土地価格や住宅設備、建物の仕様などは含めて個別に変化するため、あくまで建築工事費の全体的な変化を見るための指数です。
それでも、建築費が以前と比べて大幅に上昇していることは分かります。
建築費が上昇している背景の一つが、建築資材価格の上昇です。
一般財団法人建設物価調査会の「建設資材物価指数」は、2015年平均を100として建設資材の価格動向を示す指数です。
大阪の「建設総合」は、2026年8月時点で157.9。2015年の100と比較すると、約57%高い水準です。
(出典:一般財団法人 建設物価調査会)
これは、木材や鉄鋼、セメントなど、建物を建築するために使用する資材の価格が、
以前と比べて大幅に上昇していることを示しています。
木材や鋼材、コンクリートなどの資材価格に加え、輸送費や人件費なども建築コストに影響します。
そのため、「資材価格が少し落ち着けば、すぐに昔の建築費に戻る」とは限りません。
では、建物を壊す「解体費」はどうでしょうか。
解体費については、建築費指数のような全国統一の公的な指数があるわけではありません。
解体工事は、建物の構造や大きさだけでなく、
・前面道路の幅
・重機が入れるか
・隣家との距離
・建物の立地
・廃材の量
・アスベストの有無
・残置物の量
などによって費用が大きく変わるためです。
2026年1月の日本経済新聞によると、「解体費が過去5年で約30%上昇するなど高騰している」
と報道されています。
実際に当社でも解体費の見積りを取ると、以前よりかなり解体費が上昇していると感じます。
解体費が上昇している理由も一つではありません。
人件費の上昇
解体工事には、建物を壊す作業だけでなく、分別や搬出など多くの人手が必要です。
建設業界全体で人手不足が続いていることから、人件費の上昇が解体費にも影響します。
廃棄物処理費の上昇
解体すると、木材、コンクリート、石膏ボードなど大量の廃材が発生します。
建設リサイクル法等の厳格化により、これらをより適切に分別・処分するよう見直しされました。
アスベストへの対応
古い建物では、アスベストを含む建材が使用されている可能性があります。
2023年10月から、解体・改修工事の際にアスベストの事前調査が必要で、
使用が確認された場合には別途、除去・処分費用が発生します。
そのため、築年数の古い建物では、単純に「坪数×解体単価」だけでは費用を判断できません。
不動産売却を考えている方にとって重要なポイントです。
建築費が上昇すると、「建物が高くなった分、土地も高くなるのでは?」と思うかもしれません。
しかし、実際にはそう単純ではありません。
例えば、住宅を購入する予算が5,000万円だったとします。
以前は、
土地 2,000万円
建物 3,000万円
で購入できたとしても、建築費が上昇して、
土地 2,000万円
建物 3,500万円
となれば、総額は5,500万円です。
購入予算を5,000万円に抑えたい買主からすると、
「建物が高くなった分、土地をもう少し安く購入したい」
という考えになる可能性があります。
つまり、建築費の上昇は新築住宅の価格を押し上げる一方で、
土地については購入者が土地にかけられる予算を抑える方向に働く場合もあります。
解体費の上昇は、古家付き住宅の売却にどう影響する?
解体費が高くなると、特に影響を受けやすいのが古家付き住宅です。
例えば、土地としての価値が1,500万円ある土地でも、買主が建物を解体して利用する場合、
解体費が200万円なら1,300万円、
解体費が350万円なら1,150万円
というように、買主が土地にかけられる金額に影響します。
ただし、実際の査定価格は「土地価格-解体費」という単純な計算だけで決まるわけではありません。
建物をそのまま利用できるのであれば、解体せずに中古住宅として売却できる可能性があります。
一方、老朽化が進んでいる場合や、雨漏り・傾きなどがある場合は、
解体して土地として利用することを前提に買主が検討することもあります。
つまり、古家があるから必ず査定価格が下がるわけではなく、その建物を利用できるのか、
解体する必要があるのかによって、物件の評価は変わります。
「古い家を壊して、更地にしてから売ったほうが高く売れますか?」
このようなご相談をいただくことがあります。
確かに、更地にすることで土地の形状や広さが分かりやすくなり、
買主が新築をイメージしやすくなるというメリットがあります。
しかし、解体には費用がかかります。例えば300万円かけて解体したとしても、
更地にしたことで売却価格が300万円以上高くなるとは限りません。
そのため、「更地にすれば高く売れる」とは一概に言えません。
特に八尾市では、前面道路の幅や接道状況、隣家との距離などによって、
解体費だけでなく、解体後の土地の利用方法も変わる場合があります。
また、建築基準法上の道路に接していないなどの理由で、再建築できない土地もあります。
古家付き住宅を売却するときは、解体費だけを見るのではなく、
「解体した後、その土地をどのように利用できるのか」まで確認することが大切です。
現在は建築費・解体費ともに以前より高くなっています。
そのため、古家付き住宅を売却する場合は、
① 古家を残したまま売却する場合
② 解体して更地として売却する場合
の両方を比較して考えることが重要です。
査定では、周辺の取引事例や土地の形状、前面道路、接道状況、駅からの距離、
建物の状態、再建築の可否などを総合的に判断します。
そして、必要に応じて解体費も考慮し、「古家付きのまま売るのか」「解体してから売るのか」を検討します。
古い家だからといって、売却前に必ず解体する必要があるわけではありません。
解体してしまう前に、まずは現在の状態でどのくらいの価格で売却できるのかを確認することをおすすめします。
建築費や解体費の上昇は、新築住宅だけでなく、土地や古家付き住宅の売却にも影響します。
特に古家付き住宅では、解体費が高くなったからといって、必ず更地にして売るほうが有利とは限りません。
建物の状態や土地の条件によっては、古家を残したまま売却したほうがよい場合もあります。
そのため、「解体してから売る」のではなく、まずは古家付きの状態で査定を受け、
解体した場合との違いを比較することが大切です。
八尾市で古家付き住宅や土地の売却をお考えの方は、解体する前に一度ご相談ください。
当社では、建物の状態や土地の条件、解体費などを考慮し、「いくらで査定できるか」だけでなく、
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この記事の監修者
奥田 保有資格:宅地建物取引士
MORE都市開発株式会社
大阪府八尾市を中心に、不動産売買・相続不動産・空き家売却・不動産買取などを手掛けています。
地域密着の不動産会社として、八尾市・東大阪市を中心に多数の売却相談実績があります。
本記事は、不動産購入や売却を検討されている方へわかりやすく情報をお伝えすることを目的として作成しています。
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