八尾市には古くからの住宅地が多く、不動産売却時に土地や道路に関する問題が見つかることがあります。
問題の内容によっては売却価格や売却期間に影響することもありますが、
事前に状況を把握しておけば売却できるケースも少なくありません。
本記事では、八尾市で不動産売却の相談を受ける中でよく見られる問題について解説します。
なぜ売却時に不利になるのか
車が進入できない土地は、購入希望者が限定される傾向があります。
近年は車を所有する家庭が多く、敷地内駐車場の有無を重視する方も少なくありません。
また、引越しや建築工事の際にも制約が生じるため、敬遠されるケースがあります。
売却できないわけではない
駅から近い立地や生活利便性の高いエリアであれば、十分に需要があります。
実際に八尾市内でも車が進入できない住宅が売買されています。
狭小地とは
一般的に20坪前後以下の土地を狭小地と呼ぶことがあります。
買主が気にするポイント
・駐車場が確保しにくい
・建物プランが制限される
・建築コストが上がる可能性がある
土地が狭い場合、希望する広さを確保するために3階建住宅を計画するケースがあります。
一般的に3階建住宅は2階建住宅より建築費用が高くなる傾向があるため、
購入希望者が限定される要因になることがあります。
狭小地の需要
一方で、駅近エリアなど立地条件が良い場合は、土地価格を抑えながら居住面積を確保できるため、一定の需要があります。
八尾市内でも狭小地は多く、古い住宅を取り壊した後に3階建を新築されるケースがよくあります。
③ 前面道路が私道
八尾市の住宅地では、前面道路が私道という土地がかなり多くあります。
前面道路が私道の場合の注意ポイント
私道とは、国や市町村ではなく個人や法人が所有している道路のことです。
私道に接しているからといって売却できないわけではありませんが、
売却前に確認しておきたいポイントがあります。
① 私道持分があるか確認する
私道持分がない場合でも売却は可能ですが、通行権の確認が重要になります。
② 通行権が確保されているか
私道持分がない場合、「道路を通行する権利があるのか」が重要になります。
通行承諾書があるかどうか、買主や金融機関から質問されることも多いため、事前に確認しておきましょう。
③ 掘削承諾が必要か確認する
水道・ガス・下水道などの工事で私道を掘削する場合、私道所有者の承諾が必要になることがあります。
④ 建築基準法上の道路か確認する
私道だからといって、必ず建築基準法上の道路とは限りません。
売却時には再建築の可否を確認しておくことが重要です。
⑤ 私道所有者が複数いる場合がある
八尾市の古い分譲地では、私道を複数人で共有しているケースもあります。
その場合、
・所有者が亡くなっている
・相続登記が未了
・所有者の所在が不明
ということもあります。
実際に直近の査定依頼でも、私道所有者の相続登記が未了(数十年間そのまま)ということがありました。
将来の手続きに影響する可能性があるため注意が必要です。
⑥ 住宅ローン審査に影響することがある
金融機関によっては、
・私道持分の有無
・通行承諾書
・掘削承諾書
などの書類提出を求める場合があります。
資料が不足すると審査に時間がかかったり、買主が不安を感じたりすることがあります。
整理しておくと、売却活動がスムーズに進みやすくなります。
八尾市の実務でよくあるケース
八尾市では古い分譲地や旧集落エリアで私道に接する住宅が少なくありません。
当社では八尾市内の私道に接する不動産について、
私道所有者の調査や通行承諾書・掘削承諾書の取得サポートを行っています。
実際には問題なく売却できる場合が多いものの、
様々なケースがあるため、売却前の調査が重要です。
前述の「③前面道路が私道」と共通する部分が多いです。
前面道路や通路が第三者の所有となっている場合、売却時に買主や金融機関が権利関係を確認することがあります。
主なデメリットは次のとおりです。
・通行する権利が明確でない場合がある
・建替え時に支障が生じる可能性がある
・住宅ローン審査に影響する場合がある
・水道やガス工事の際に承諾が必要になることがある
・買主が不安を感じやすい
ただし、通行承諾書や地役権の設定がある場合や、これまで問題なく利用されている場合は、
通常どおり売却できるケースもあります。
売却前に権利関係を調査し、買主へ説明できる状態にしておくことが大切です。
当社は過去に度々、前面道路が他人所有地の売却相談をいただいております。
水路敷とは
道路と敷地の間に水路や里道が存在する状態です。
建築基準法では、原則として敷地が道路に2m以上接している必要があります。
しかし、道路→水路→敷地となっている場合、
「本当に道路に接しているのか」という問題が生じます。
特に古い住宅地では、現在建物が建っていても建替え時に問題になるケースがあります。
売却時に確認すること
・橋や通路の占用許可
・行政との協議状況
・再建築の可否
住宅ローンの審査に影響する場合がある
金融機関は担保価値を重視します。
水路が介在することで、
の場合は融資条件が厳しくなることがあります。
橋や通路が無許可の場合がある
水路を跨ぐために設置されている橋や鉄板に行政の許可がない場合は、
・行政の管理台帳を確認
・必要に応じて許可申請を検討
などの手続きが必要です。
将来的に橋の補修費用が発生する場合がある
敷地への出入りに使う橋が個人管理の場合があります。
老朽化すると補修や架け替えが必要になることがあります。
八尾市でも見られるケース
八尾市では古くからの集落や農地転用地周辺で、水路を挟んで住宅が建っているケースがあります。
そのため売却前に行政調査を行い、建築条件を整理しておくことが重要です。
建築基準法上の道路とは
建築基準法では、原則として敷地が建築基準法上の道路に2m以上接していなければ建物を建築することができません。
そのため、前面道路が建築基準法上の道路に該当しない場合は、売却価格や購入希望者の数に大きな影響があります。
(道路の種類を知りたい時には、地図情報サービス「やおデジマップ」の
「指定道路図」や「認定路線図」で誰でも調べることができます。)
売却価格に大きく影響する理由
買主が住宅ローンを利用する場合、金融機関は再建築の可否を重視します。
建築基準法上の道路に接していない土地は、将来的に建物の建替えができない可能性があるため、
一般的な住宅よりも売却が難しくなることがあります。
法43条2項空地に該当する場合は建築できる可能性がある
すべての土地が再建築不可というわけではありません。
建築基準法第43条第2項の規定により、建築基準法上の道路に接していなくても、
一定の条件を満たす空地や通路に接している場合は、特定行政庁の許可や認定を受けることで建築できる場合があります。
前面道路が法43条2項空地の売却方法
法43条2項空地に該当する可能性がある場合は、売却前に調査を行うことが重要です。
具体的には、
・市役所や建築指導課への確認
・過去の建築確認履歴の調査
・建築士による事前調査
・建築会社へのプラン相談
などを行います。
調査の結果、建替えの可能性が確認できれば、購入希望者に対して安心材料となり、
売却活動を有利に進められる場合があります。
再建築不可物件でも売却は可能
当社でも「前面道路が建築基準法上の道路ではないため売却が難しいと思っていた」
というご相談をいただくことがあります。しかし、
・隣地所有者への売却
・投資家への売却
・買取業者への売却
など、売却できる方法はあります。
建築基準法上の道路に接していない土地でも、状況によって評価が大きく変わるため、売却前の調査が重要です。
市街化調整区域とは
市街化調整区域とは、市街化を抑制するために指定された区域です。
住宅や店舗などの建築が制限されており、市街化区域と比べると利用方法に制約があります。
八尾市でも東部の一部エリアに市街化調整区域があります。
売却時に問題となる理由
市街化調整区域では、購入後に自由に建物を建築できるとは限りません。
例えば、
・建替えができない
・用途変更ができない
・分筆して新築できない
といったケースがあります。
そのため購入希望者が限定されやすくなります。
住宅ローンに影響する場合がある
金融機関によっては、
・再建築の可否
・開発許可の有無
・既存宅地要件
などを確認します。条件によっては融資条件が厳しくなることがあります。
実際に、私の親族が所有する市街化調整区域内の住宅でローンを組もうとしたところ、
一部金融機関では大前提として「市街化調整区域の土地建物へのローン利用不可」ということがありました。
売却前に確認したいポイント
市街化調整区域の不動産を売却する際は、
・建築履歴
・開発許可の有無
・建替えの可否
・農地法の制限
などを事前に確認しておくことが重要です。
市街化調整区域でも売却できるケースは多い
市街化調整区域だからといって、必ずしも売却できないわけではありません。
例えば、
・既存住宅として利用可能
・建替え可能な許可がある
・周辺に住宅が建ち並んでいる
・農地や資材置場等の利用
といったケースでは、一般の買主へ売却できることもあります。
八尾市の不動産売却で道路問題は珍しくありません。
・土地が狭い
・前面道路が狭い
・私道に接している
・他人所有地を通行している
・水路を挟んでいる
・建築基準法上の道路ではない
・市街化調整区域にある不動産
このような問題があっても、売却できる可能性は十分にあります。
重要なのは現状を正確に調査し、物件に合った売却方法を選択することです。